一年ほど前、ある楽器屋さんのスタッフの話によると、
「近頃、フライングVを使うギタリスト、いなくなりましたねえ……」
「え?本当ですか??」
「いやー、とにかく、以前に比べたら激減していると思いますよ。特に、若い人には不人気なんじゃないですかね」
Vシェイプがもたらす特異点①
フライングVというギターのスペックとか、深掘りはしません。
このギター、一本だけ所持しているのですが、ユーザー/プレイヤーとすると、使いにくく、”へんてこ”なギターといえるでしょう。
”良いところ”といえば、軽量なことと、ハイポジションの運指が楽なことくらいです。
あの形状のため、膝の上で安定させるのが難しいため、座って弾くにせよ、立って弾くにせよ、(一応”弾きやすい”ハイポジションを使うなら特に)V字を股に挟まなければ、なかなか安定しません。
マイケル・シェンカーのような弾き方しか、安定性が確保できないのです。
Vシェイプがもたらす特異点②
よく”甘いトーン”がフライングVの特色だと言われます。
個人的には、「音が弱い」のが、「甘く」聴こえる最大の原因のように……”ボディがマホガニー、ハムバッカー2基のV”前提ですが、ギター本体のなかで、いちばん弦振動と共鳴して”鳴り”を作るべきボディが、あそこまで、ざっくり削られていて、本来響くべき部分が皆無なのです。
同じ材質で2ハムのレスポールと比べると、かなり音が弱い、というか、上手い表現が見当たらないのですが、不足感があって(レスポールがリッチでマッチョすぎるのもある)、でも”悪い”音ではない、という、微妙な……
良い意味を拡大すると”甘い”、”甘美な”になるように。
とにかく、目立つし、アピールする
ほかにも、シェイプが特殊すぎるための”収納ケースは?”とか、じっさいに使用するとなると、「いったい、どのジャンルの音楽に最適なのか」もうひとつハッキリしない(メタルをやらない、となると、特に)とか、あんまり考えすぎると、わざわざVをチョイスしなくても良いかな、となるのかも。
……だけれども、フライングV、実物はとくに、”カッコ良い”し、”やたら目立つ”ギターではあります。
好きではない人にとっては、ほぼ先入観から”ださい”、と言われがちなのかもしれません。
ところが、それなりのブツを目の当たりにすると、そのイメージが覆される人も多いのではないか、と思います。
おまけに、今、本当に使用者が激減しているのが本当ならば、これほど”人の目に立つ”ギターというのも、あまりないわけだから、たとえば、ヴォーカルの女子がこれを持つ、というのは良いように(軽いので、ラクだし)。
偏愛者、使用者など
フライングVは、有名なマイケル・シェンカーのように、「生涯これだけ」のような、偏愛者が出るギターなのも、「なんとなく」ですが、頷ける感もあります。
カイ・ハンセン、デイブ・ムステイン……HM方面の人を思い出します。「このギター一筋」みたいな……
ジミ・ヘンドリクスやアルバート・キングも使用していました。
たぶん二人とも、右利き用のVを、逆さに持ち替えてのレフティ使用だったのでしょう。
最近は、以前に比べると、かなり安い機体も出ていますよ。
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